VOR/ADFを使った飛行
ここでは計器を使ったVFR飛行を紹介します。計器を使いますがIFR(計器飛行)とは違います。

図解がわかりやすくなるように、角度はオーバーな表現をしています。実際には、これほど角度が変わることはありません。

ADFを使った飛行

まず、近くのNDBの周波数をセットしてください。セクショナルチャートのページ
YOKOSUKA 249 YU
を例にすると周波数は249です。受信できれば針が動きます。アビオニクスのオーディオパネルで[ADF1]を押してください。聞こえてくるモールス符号が「−・−−  ・・−−」であれば間違いなくYUを受信していることになります。

ADFの針が示す方向に機首を向けます。針が真上を向いたところで直進すればNDBに向かっていることになります。

しかし、もし横風を受けていれば機体は徐々に風下に流されていき、針は少しずつ風上側に振れていきますので、常に針が真上にくるように機首を修正します。

これをホーミングといいます。

(1)000度の方向にNDBがあるとします。

(2)機首は000度を向いているのに横風に流されADFは左を指します。

(3)機首を左に向けADFを合わせましたが、すでにコースからは離れています。

(4)横風に流され再びADFは左を指します。

(5)ADFは合っていますが、機首は最初の000から大きく変わっています。

(6)目標地点に到達するころには、機首は当初とはまったく違う方を向いています。

いつもADFの針が真上に向くように飛行するだけなので簡単ですが、横風が強いと大きく流され、直線ではなく大きな弧を描くように目標地点に到達します。

この場合、コースの風下に障害物や山などがあれば注意しなければなりません。


VORを使ったホーミング

まず、近くのVORの周波数をセットしてください。セクショナルチャートのページ
YOKOSUKA 116.2 HYE
を例にすると周波数は116.20です。受信できれば針が動き(8)のフラッグは消えます。VORなので(7)のGSフラッグは出ています。アビオニクスのオーディオパネルで[VOR1]を押してください。聞こえてくるモールス符号が「・・・ −・−− ・」であれば間違いなくHYEを受信していることになります。

ADFとの違いは自分で(5)のコースセレクターを回し(1)のCDIがセンターになるように調節することです。このとき(9)のインジケーターが「TO」を示していることを確認してください。もし、「FR」が出ていれば逆を指していますので(5)のコースセレクターをさらに半周回してください。このときコンパスカードが真上を指す方位にVORがあります。

旋回しディレクショナルジャイロがVORの示す方向に合えば、飛行機はVORに向かっていることになります。例えばコンパスカードの真上が030を指していたら機首を030に向けます。

ADF同様、もし横風を受けていれば機体は徐々に風下に流されていき、CDIは少しずつ風上側に振れていきますので、常にセンターにくるようにコースセレクターを回し、コンパスカードの真上が示す方向に機首を修正します。

これをVORホーミングといいます。

ADFのホーミング同様、コースの風下に障害物や山などがあれば注意しなければなりません。


VOR トラッキング

前述の『VORを使ったホーミング』とは違うVORトラッキングについて説明します。

(1)現在位置からVORの方向が090度だとします。コースセレクターでコンパスカードが090を示すように回します。するとCDIはセンターになります。もちろんディレクショナルジャイロも090を指します。

ホーミングとの大きな違いは、一度、コースセレクターを090に合わせたら動かしません。常に090に合わせたままです。

(2)ラダートリムをとらずに飛行すると、横風で右に流されています。この時、CDIは左にずれています。これは、『本来のコースは自機の左にある』ということを意味します。

(3)CDIがセンターになれば機首が090でなくても飛行機はコース上にいます。ここでラダートリムで機首を少し左に向けておきます。

(4)しかし、ラダートリムが完全でないと再び右にずれてしまいます。

(5)ラダートリムが完全であればCDIをセンターにキープしたまま、横風を受けてもコースを直進できます。この時、ディレクショナルジャイロは050を指しているにもかかわず、飛行機は090の方向に飛行しています。

【トラッキングの利点】

横風を受けても直進するので、現在の飛行高度で地図上に障害物や山がなければ、たとえ視界がゼロでも飛ぶことができます。

VFRは、目視で飛ぶのが原則ですが、もし、飛行中に天候が急変し視界が悪くなったとき、無事に生還するためにはトラッキングの技術が必要です。また、目標物がまったくない洋上を飛行し孤島に向かうときもトラッキングできれば燃料や時間の節約になります。

VORに向かうだけでなく、あるVORから一定の方向に『FR』で飛行することもできます。

ILSランディングは上下のCDIの動きが増えるだけで、基本操作はトラッキングと同じです。トラッキングをマスターすればILSランディングもできるようになります。